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発毛剤ミノキシジルについて
ミノキシジルはAGA(男性型脱毛症)に有効な治療薬です。その効能や副作用について詳しくご説明いたします。
このページの監修者のご紹介

医療法人社団ウェルエイジング
城西クリニック福岡
チーフ(看護師) 大野 ふみ(おおの ふみ)
経歴
2005年に看護師として入職。看護業務に従事したあと、城西クリニック福岡のチーフスタッフとしてクリニック運営にも携わるようになる。
看護師の知識と経験を活かし、正しい医療情報の提供と、患者さまに寄り添った温かみのある対応を心掛けている。クリニックスタッフと積極的に意見交換を行い、患者さまに居心地良く感じていただくための接遇や院内の雰囲気づくりに注力している。また、それぞれのスタッフが力を発揮できるよう育成にも力を入れている。
AGA対策のミノキシジル
ミノキシジルは、もともとは血圧降下剤として高血圧患者に処方されていた経口薬でした。血管拡張剤の一種で、体内の血管を拡張し、血流を促進してくれる薬です。
投薬された患者の多くに多毛症が見られたことから、後に正式に育毛成分として研究が行われ、1980年代、米国「アップジョン社(現ファイザー社)」から発毛用の外用薬「ロゲイン」の販売が開始されました。
このロゲインを皮切りに、AGA対策としてさまざまなミノキシジル系発毛剤が開発・発売され、日本でも大正製薬が塗るタイプのミノキシジル外用薬「リアップ」を販売しています。
ミノキシジルの効果
ミノキシジルは直接毛母細胞に働きかけ、毛母の細胞分裂を活性化させ、髪の成長を早めます。
人の毛髪には「成長期→退行期→休止期」というサイクルがあります。通常2~5年かけて髪は成長し、退行期・休止期を経て抜け落ちた後、ふたたび新しい毛が生えるというものです。AGA(男性型脱毛症)にかかると、このヘアサイクルが乱れます。
男性ホルモンであるテストステロンと5αリダクターゼという酵素が結合すると、DHT(ジヒドロテストステロン)というより強力な男性ホルモンが生まれ、これが脱毛の原因となります。
AGAを食い止めるには大きく2つの方法が考えられます。ひとつはテストステロンと結びついてDHT(ジヒドロテストステロン)となる酵素、5αリダクターゼの働きを抑制する方法です。これは米国で1998年、日本でも2005年に認可されたプロペシア(フィナステリド)という内服薬が有効だとされます。
もうひとつは毛母細胞に働きかけ、毛母の細胞分裂をうながしたり、頭皮の血行をよくして髪の毛の生えやすい環境をつくったりする方法です。これにはミノキシジルが大きな効果を発揮します。
似て非なる作用ですが、どちらもAGAの改善が期待できる治療薬で、両方を組み合わせて使用することでより効果的だと考えられています。
ミノキシジルの種類
ミノキシジル成分入り発毛剤の先駆けである塗るタイプの外用薬「リアップ」は、日本の育毛剤の中で、ミノキシジルを含有している唯一の市販製品です。発売初年度の1998年、驚異的なヒット商品となりました。
ミノキシジル5%、1%などのバリエーションがありますが、通常の育毛剤としては少し高めながら、ドラックストアなどでも購入できます。
ただし、「6ヵ月使用しても改善されない場合は、AGA以外の原因である可能性もある」とも書かれていますから、変化が見られない場合には医療機関への相談をおすすめします。
毛髪の専門クリニックであればミノキシジルだけでなく、別の治療薬も試すことができます。成分濃度も調節ができますから、早い段階で自分に合った治療薬を使用することが可能です。
日本で購入することはできませんが、米国ではファイザー社のロゲイン以外にも複数のミノキシジル外用薬が発売され、ジェネリック製品も複数登場しています。濃度1%、5%のものに加え、2%、12%など、より多様な濃度のミノキシジル外用薬が販売されています。
アメリカで治験に関わったオルセン博士は、1%の場合、連続して使用しても結果が出るのに最低6ヶ月は必要だと言っています。とはいえ、濃度を単純に上げればよいのかというと、それは一概には言えません。
リアップの治験に携わった故武田克之(元徳島大学名誉教授、元NPO法人Future Medical Laboratory:近未来医療研究会(※1)理事長)氏は次のように語っていました。「ミノキシジルの含有量1%と2%の双方を実験した結果、ほとんど効果の差が見られなかった。副作用も考慮して、日本人の体質には1%が最良だと判断できた」。
(※1 NPO法人Future Medical Laboratory 近未来医療研究会)
ミノキシジルは、女性のAGAであるFAGAにも効果がある成分です。2005年4 月には発毛・育毛成分であるミノキシジルを有効成分とする女性用の外用医薬品が発売されていますが、病院では市販のものよりもミノキシジル成分の濃度が高い医療用ミノキシジルを処方することもできます。さまざまな検査をし、経験のある医師がミノキシジルの配合濃度なども調整してに処方するので、安全ですし、より高い効果も望めます。
ミノキシジルには内服タイプもあり、「ミノキシジル・タブレット」と呼ばれています。基本的には血圧降下を目的とした薬であり、AGA治療薬としてはどこの国でも認可されていません。海外通販サイト等で購入し、使用している人もいますが、日本ではAGA治療を目的とした場合だけでなく、血圧降下剤としても製造・販売が認められていないので、細心の注意が必要です。
ミノキシジルの副作用
高い発毛・育毛効果が期待できるミノキシジルですが、副作用についても十分知っておきたいところです。
ミノキシジルには頭痛、めまい、むくみ、頭皮の赤み、かぶれ、フケ、発疹、動悸や胸の痛みなどの副作用があると言われています。そのなかでも顕著なのが頭皮のかゆみです。
原因にはいくつか考えられますが、ミノキシジルが血管を拡張することで頭皮の血流がよくなり、自然と痒みを感じるようになることがまずは考えられます。
次に考えられるのは、水に溶けにくい性質のミノキシジルを配合するために使用しているアルコールやプロピレングリコールといった溶剤へのアレルギー反応です。
ミノキシジルそのものには、痒みやアレルギーを誘発するような成分はないとされますが、人によっては肌に合わず、痒みを感じてしまうこともあるようです。
内服タイプのミノキシジル・タブレットを使用していたケースでは、全身の体毛が濃くなるという副作用も報告されています。
ミノキシジルの入手方法
まず、前述の市販されている外用薬のラインであるならば一般の薬局やドラッグストアで購入できます。次に、インターネット通販や個人輸入も手軽になっています。ネットで販売されているものは、価格的にかなりお手頃で、長期的に使用することを考えると、心動かされるものがあります。しかし、粗悪品や偽物が送られてくるケースや、商品が届かないという事例もあります。正規販売者からの購入でなければ、救済措置を受けることもできないので、慎重に考える必要があります。
効果がある代わりに副作用もある医薬品である以上、服用するにあたっては、医療機関でしっかりと検査を受け、医師の処方で使用するのがやはり安全です。特に頭髪専門のクリニックならば、濃度、使用頻度、使用量、他の薬品との併用等、症状や体質に合わせて処方することができます。
まずは、多くのクリニックで行われている無料カウンセリングを受けてみるとよいでしょう。経口育毛剤のプロペシア(フィナステリド)と併用して、ミノキシジルをより効果的に使用して治療するなど、常に新しい知見と経験に基づいた処方を受けることができます。
店舗、または個人輸入で購入するより費用負担は大きくなりますが、頭髪専門クリニックでの処方は、合わない薬剤を使いつづけて身体を壊したり、効果のない投薬で時間やお金を無駄にしたりもすることすくないでしょう。効果を客観的に測定しながら、安心して治療が続けられるのが、病院で処方を受ける上での何よりのメリットです。当城西クリニック福岡でも、薄毛・AGA治療のための無料カウンセリングを行っております。気になる方は是非ご利用ください。
ミノキシジルゲル
ミノキシジルは液体であるため、塗布しても生えぎわにとどめておくのは難しく、生え際では有効的な活用ができていない状態でした。聖マリアンナ医科大学の井上肇准教授とNPO法人Future Medical Laboratory:近未来医療研究会が共同開発した「ミノキシジルゲル」はリキッドタイプのように患部から流れ落ちることがなく、適応部位への滞留時間を長く確保できる画期的な治療薬です。また、容器はチューブタイプで使いやすく、使用量の調整が可能という特徴もあります。
当城西クリニック福岡は、Future Medical Laboratory関連医療施設となっており、これら最新の治療や研究実績を頭髪治療に活かしています。
(参照サイト)
ヘアメディカルグループ
「ミノキシジルゲル開発にあたり」
「育毛剤をより効果的に」
「発毛成分『ミノキシジル」
ミノキシジルについては【ミノキシジル大学】
ミノキシジルについては、ミノキシジル大学の『ミノキシジルっていったい何? その質問の答えがすべてここに』をお読みいただけるとさらに理解を深めることができます。
注:記事の内容は、効能効果または安全性を保証するものではありません。
サイトの情報を利用し判断・行動する場合は、医師や薬剤師等のしかるべき資格を有する専門家にご相談し、ご自身の責任の上で行ってください。