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【クリニック監修】抜け毛は薄毛のサイン?治療すべきかどうか悩んだら
1日80本程度の抜け毛は生え変わりによる正常な抜け毛といえます。しかし、目に見えて成長途中の細い抜け毛が増えてきたとか、朝起きたら枕に大量の抜け毛が目につくようになった、というような場合、その抜け毛は薄毛のサインかもしれません。ここでは、治療しようかどうか悩んだ時、どのように判断すべきかをお話ししましょう。【クリニック監修】【Dクリニック福岡(旧城西クリニック福岡)の頭髪コラム】
このページの監修者のご紹介

医療法人社団ウェルエイジング
Dクリニック福岡(旧城西クリニック福岡)
チーフ(看護師) 大野 ふみ(おおの ふみ)
経歴
2005年に看護師として入職。看護業務に従事したあと、Dクリニック福岡(旧城西クリニック福岡)のチーフスタッフとしてクリニック運営にも携わるようになる。
看護師の知識と経験を活かし、正しい医療情報の提供と、患者さまに寄り添った温かみのある対応を心掛けている。クリニックスタッフと積極的に意見交換を行い、患者さまに居心地良く感じていただくための接遇や院内の雰囲気づくりに注力している。また、それぞれのスタッフが力を発揮できるよう育成にも力を入れている。
薄毛治療はいつからはじめる?
「1日100本以内は正常な毛周期サイクルの中での抜け毛」。とはいえ、毎日目を皿のようにして、排水溝の髪の毛をかき集めて本数を数えたり、枕に散らばった抜け毛をかき集めて数えたりしているだけで大きなストレスになりかねません。何かが気になるということは、何らかの異変が起きているということ。
成人男性の3分の1近くが悩んでいるという薄毛の多くは、進行するタイプのもので、放置していても改善する見込みはほぼありません。悩むよりまず行動することをお勧めします。
その上で、薄毛治療に欠かせないのは、自身の薄毛症状の原因の正確な把握と、正しい治療方法の選択です。素人判断で、安全性に不安のある個人輸入の薬などを服用するのは、リスクが高いと言わざるを得ません。実際に、偽薬の可能性や身体への危険性の懸念もあるからです。
悩んでいる間にも薄毛は進行、治療の判断は専門クリニックで
薄毛に悩む方にやはりお勧めしたいのは頭髪治療の医師がいるクリニックです。当Dクリニック福岡(旧城西クリニック福岡)を含め、薄毛治療を行う専門クリニックでは、診察に入る前に無料のカウンセリングを行っているところが少なくありません。気軽に相談して、具体的な治療内容や費用について正確な情報を得るとよいでしょう。
また、AGA(男性型脱毛症)治療の専門クリニックの中には、血液検査で健康チェックを行っているところもあります。薄毛予防や薄毛治療には食生活や生活習慣の見直しが改善も不可欠です。AGA(男性型脱毛症)について知見のある医師による総合的な診断が受けられる専門クリニックならば、安心して薄毛治療に専念できるでしょう。
薄毛の原因を突き止めて、正しい治療を選択する
薄毛の原因で変わる治療方法
薄毛の原因(1)AGA男性型脱毛症
素人判断を避けた方がよいという理由の一つに、薄毛の原因は人によってさまざまに異なるからです。原因が異なれば、治療方法も当然異なります。
まず薄毛の代表的なものがAGA(Androgenetic Alopecia)、男性型脱毛症です。この脱毛症にはテストステロンという男性ホルモンが大きく関わっています。思春期をすぎた頃から、髪の生え際やつむじ周りなどが薄くなっていくのが特徴で、成人男性のおよそ3人に1人がこのAGA(男性型脱毛症)症状に悩んでいるという調査結果もあるほど、一般的な薄毛です。男性ホルモンは女性にも微量あり、女性でも女性型AGA(FAGA)を発症することがあります。
このAGA(男性型脱毛症)は進行型ですので、そのままにしていると、薄毛はどんどん進行していきます。適切な治療を早くスタートさせることが、薄毛の改善につながります。
薄毛の原因(2)円形脱毛症
ストレスや自己免疫疾患などにより、いきなり部分的に脱毛してしまう円形脱毛症は、AGA(男性型脱毛症)とは全く違ったアプローチが必要です。
自己免疫疾患の治療が必要な場合もありますし、あるいはストレスの原因を取り除くことによって自然治癒する場合も多くあります。
薄毛の原因(3)皮膚疾患など
また、皮脂の分泌が多い人の頭皮によく見られる脂漏性皮膚炎など、皮膚疾患が原因の脱毛は、炎症を抑えて頭皮環境を改善すれば、改善していくでしょう。
薄毛の原因の診断は、AGA治療専門クリニックで
いずれにしても、薄毛症状を引き起こした原因は、素人には判断がつかないものが少なくありません。
あなたの薄毛はAGA(男性型脱毛症)治療が必要なのか、生活改善すれば治癒が見込めるものなのか、あるいは地元の皮膚科で治療を受ければよいのかなど、まずはAGA(男性型脱毛症)治療の専門クリニックで医師による総合的な診断を受けることをお勧めします。
AGA(男性型脱毛症)治療について、詳しくはこちらの記事をお読みください。
「AGA治療のための基礎知識」
「AGAの原因いろいろ」
「薄毛の対策、その第一歩は原因を知ることから」
自分が薄毛治療に何を望むのかを明確にする
AGA(男性型脱毛症)による薄毛の治療において、まず最も大切なことが、自分が何を望むのかを明確にする、ということです。自分自身のAGA(男性型脱毛症)発症リスクを検査によって確認した上で、現状維持のための治療で十分だとするのか。あるいは、薄毛がすでにかなり進行しているため、薄くなった部分における新たな発毛を望むのか。
それによって、内服薬だけでよいのか、あるいは外用薬やサプリメントも活用した総合的な治療をすべきか、治療の内容が異なってきます。
AGA(男性型脱毛症)による薄毛の症状は、男性ホルモンのテストステロンが5αリダクターゼという体内の酵素と結びついてジヒドロテストロン(DHT)に変化することで、発症します。DHTはテストステロンよりも強い作用を持つ男性ホルモンなのですが、毛母細胞にある男性ホルモン受容体に作用して細胞の働きを抑制してしまうのです。そのために十分に成長しないまま毛が抜けてしまい、薄毛が進行していく、これがAGAのメカニズムです。
5αリダクターゼは前頭部や頭頂部などに存在するため、そこから薄毛が進行していきます。つまり、5αリダクターゼの働きを阻害することでテストステロンがDHTへと転換されることを防ぎ、毛母細胞の働きを抑制する原因を取り除く。これがAGA(男性型脱毛症)治療の根本の考え方です。
そこで、以下の内服薬が処方されます。
プロペシア
5αリダクターゼの働きを阻害するフィナステリドという成分が配合されています。5αリダクターゼには1型と2型があり、フィナステリドは2型に効果を発揮します。1型は側頭部や後頭部の皮脂腺にあり、2型は前立腺、前頭部そして頭頂部の毛乳頭に存在します。
ザガーロ
5αリダクターゼの1型と2型両方に効果を発揮するデュタステリドという成分が配合されています。服用してから完全に排泄されるまで72時間と長いため、効果が長時間続くという特徴があります。
そのほか、血圧降下剤として開発されたミノキシジルという薬も、毛母細胞に直接働きかけて細胞分裂を活性化させる作用があることがわかり、薄毛治療に用いられるようになりました。現状維持だけではなく、発毛を目的とする治療に使われる薬で、内服薬だけでなく外用薬も存在します。
自分が薄毛治療に何を望むのかを明確にすることで、これらの薬に加え、髪の毛によいサプリメントなどを併用し、医師に生活改善のアドバイスをもらいながら適切な薄毛治療を受けることができるのです。
AGA治療薬について、詳しくはこちらの記事をお読みください。
「AGAの治療に使われる薬の種類と副作用」
「【クリニック監修】プロペシアの効果を紐解く。AGA治療の頼れる柱!」
「ザガーロはどんな薬?」
薄毛の改善には治療とともに生活の見直しも
薄毛治療には、まず、本人の意識改革が大前提です。薄毛によくない生活習慣から見直すことが、効果的な治療のためには不可欠だと言えるでしょう。
薄毛の治療とともに見直したい生活習慣(1)寝不足、喫煙
髪の毛の大敵としてまず挙げられるのが、寝不足、そして喫煙です。髪の毛の健康を保つためには、少なくとも5時間以上の睡眠が必要です。夜間は、成長ホルモンを分泌するための大切な時間です。毎日が無理でも、できるだけ睡眠時間を十分にとる生活を心がけましょう。
また、頭皮の血行が滞りがちになると、毛母細胞に十分な酸素や栄養がいかず、毛周期サイクルに影響を与えかねません。血管を収縮させ、活性酸素を多く発生させる喫煙は毛髪にもよくないのだと肝に銘じましょう。
薄毛の治療とともに見直したい生活習慣(2)日焼け、食事、運動
過度の日焼けによる頭皮のダメージやストレスなど、頭皮はさまざまなリスクにさらされています。できるだけ不要な日焼けを避ける。ストレスを溜め込まない。そして良質なたんぱく質にビタミンやミネラルなどが豊富に含まれたバランスのよい食事。適度な運動。健康によい生活習慣こそが、薄毛治療をより効果的にすることは言うまでもありません。
当Dクリニック福岡(旧城西クリニック福岡)の「気になる髪のキーワード」では、AGA(男性型脱毛症)についてや、髪に必要な栄養素についてなどをまとめてありますので、よろしければご覧ください。
ミノキシジルについては【ミノキシジル大学】
ミノキシジルについては、ミノキシジル大学の『ミノキシジルっていったい何? その質問の答えがすべてここに』をお読みいただけるとさらに理解を深めることができます。
注:記事の内容は、効能効果または安全性を保証するものではありません。
サイトの情報を利用し判断・行動する場合は、医師や薬剤師等のしかるべき資格を有する専門家にご相談し、ご自身の責任の上で行ってください。