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【クリニック監修】AGAは治療薬を正しく選択して早期改善を
AGAには、効果的な治療薬が存在します。医薬品ですから副作用のリスクはゼロではありませんが、正しく理解した上で正しく服用すれば、心配しすぎる必要はありません。大切なことは自分の治療の目的にあった薬を、目的にかなったタイミングで服用すること。そのためにも治療で自分が目指したいゴールを明確にする必要があります。【クリニック監修】【Dクリニック福岡(旧城西クリニック福岡)】
このページの監修者のご紹介

医療法人社団ウェルエイジング
Dクリニック福岡(旧城西クリニック福岡)
チーフ(看護師) 大野 ふみ(おおの ふみ)
経歴
2005年に看護師として入職。看護業務に従事したあと、Dクリニック福岡(旧城西クリニック福岡)のチーフスタッフとしてクリニック運営にも携わるようになる。
看護師の知識と経験を活かし、正しい医療情報の提供と、患者さまに寄り添った温かみのある対応を心掛けている。クリニックスタッフと積極的に意見交換を行い、患者さまに居心地良く感じていただくための接遇や院内の雰囲気づくりに注力している。また、それぞれのスタッフが力を発揮できるよう育成にも力を入れている。
AGA発症!? 治療薬や治療内容の前に知りたい、髪の毛について
AGAによる薄毛症状は、成人男性の3人に1人が悩んでいるといいます。AGAは男性ホルモンが原因で髪の毛の健全なヘアサイクルが乱れることで発症します。髪の毛は、一定の期間で、成長しては抜けて、また新しい髪の毛が生えてきて抜けて、を繰り返しています。これをヘアサイクル(毛周期)といいます。
AGAはこのヘアサイクルが乱れて、髪の毛が成長する「成長期」がどんどん短くなっていく症状です。成長しきる前に毛髪の成長が停止してしまうため、細くて短いまま抜けていく毛が増えていき、結果として薄毛が進行するのです。
頭皮はとてもデリケートです。ストレスや食生活の乱れ、寝不足などでも頭皮環境は悪化し、ヘアサイクルが乱れる原因になることも。細くて短い抜け毛が増えてきたら、髪の毛のボリュームがダウンしてきたな、と思ったら、ヘアサイクルを乱している要因がないか、生活習慣を見直してみることが一つ大切なことです。
AGA発症!? 治療の前に、治療薬を正しく理解しよう
その上で、明らかに薄毛症状が進行してきた場合は、AGAを発症した可能性があります。AGAは進行性のため、放置しておいても改善は見込めず、かえって薄毛が進んでしまいます。早めの手立てが、早期改善につながります。
AGAは男性ホルモンのジヒドロテストステロン(DHT)が原因物質であることが判明しているので、効果的な治療薬が存在しています。医薬品ですので、副作用のリスクもありますが、その作用を知って、正しく服用すれば心配しすぎる必要はありません。治療薬の効果を最大限に高めるためにも、それぞれの治療薬の作用を正しく理解しましょう。
AGAによる抜け毛を止める治療薬と髪の毛を生やして育てる治療薬が治療の基本
AGAの治療薬は、大きく2つの種類に分けられます。「抜け毛を止めて薄毛を改善する」治療薬と、「細くなった髪の毛を太くして育毛する」治療薬です。
先ほど、AGAの原因となるのは男性ホルモンのDHTだと述べました。DHTは、男性ホルモンのテストステロンが還元酵素の5αリダクターゼと結合して変化したもの。このDHTが毛母細胞の活動を低調にすることで、髪の毛の成長期が短くなってしまう。これがAGAによる薄毛進行のメカニズムです。
つまり、テストステロンがDHTに変化してしまうことを防げば、薄毛の進行を止められます。そのために、酵素の5αリダクターゼがテストステロンに働きかけることをブロックする治療薬が開発されました。これが「抜け毛を止めて薄毛を改善する」治療薬です。
主なものに、プロペシアやザガーロがあります。これらは1日1回1錠を服用する内服薬タイプ。酵素をブロックするので原因となるDHTの生成が抑えられ、抜け毛を防いでくれるのです。
もう一つ、毛髪を健康に発毛するための薬として、代表的なものがミノキシジルです。ミノキシジルは血管拡張作用があり、血流の循環を促します。その結果、毛母細胞に直接働きかけて細胞分裂を活発にします。
髪の毛とは、毛母細胞が活発に細胞分裂を行うおかげでしっかりと成長していくもの。その毛母細胞に直接働きかけることで、髪の毛の発毛を促すという治療薬です。
ミノキシジルの基本は外用薬。リキッドタイプがメインでしたが、最近は頭皮にしっかりとどまるタイプのジェル状のものも出てきています。発毛剤として有名なリアップには、このミノキシジルが配合された外用の治療薬です。
AGA治療薬、2つの効果と副作用
ちなみに、プロペシア錠やザガーロカプセルは副作用のリスクとして、可能性は低いながら、勃起障害や性欲減退などのほか、深刻な副作用として胎児の生殖器形成に影響を及ぼすことがあると添付文書に記載があります。そのため女性の服用は認められていません。
しかし、ミノキシジル外用薬は女性にも有効性が認められており、女性の薄毛の治療薬として使用が可能です。ホルモンバランスの乱れや更年期の女性ホルモンの減少などで、女性にも女性特有の男性型脱毛症(FAGA)を発症することがあります。そうした薄毛の治療薬としてミノキシジル外用薬は有効とされています。
酵素をブロックして抜け毛を防ぐ。毛母細胞を活性化して発毛・育毛を促す。これがAGA治療薬の2つの作用です。
AGA治療薬についての詳しい説明の記事もございます。
よろしければそちらもお読みください。
AGAは、正しい治療薬選びと治療の計画的な継続を
さて、これらの治療薬、服用した直後から効果がてきめんに現れる、というものではありません。個人差はありますが、およそ3ヶ月から6ヶ月ほど継続することで、症状の改善を実感できるようになるでしょう。AGAの治療薬は、継続して服用することが大切です。
そのためにも、無理なく続けていけるような治療を自分で選択していくことを心がけましょう。無理をしすぎて途中で苦しくなり、中途半端に薬をやめてしまったら、それまで注ぎ込んで来た思いも費用も無駄になってしまいかねません。
そのためにも、最初にまず、自分がどれくらいAGA症状を改善させたいのか、治療のゴールを明確にすべきでしょう。
これ以上薄毛が進まなければよしとする「現状維持」でよいのか、ある程度は「発毛」を目指すけれども、それを達成したら発毛治療は卒業して、抜け毛予防に絞っていくことにするのかなど、治療の目的地を自分ではっきりイメージしてから治療をスタートさせましょう。
まずは具体的にこうなりたいという自分のイメージを自分が持つことが大切です。また、ドクターとも相談しながら治療のゴールを決めていきましょう。
自分のゴールをどこにおくかそのイメージを持つためにはAGAに関する基本的なことを理解しておきましょう。
ここでは、治療薬の作用のメカニズムと効果について正しく理解していきましょう。
治療薬選びに副作用のリスク。AGA治療を安心して継続していくには?
ネットを利用すれば、薬剤を海外から個人輸入して入手することも可能な時代です。しかし、そうした薬剤の品質は確かでしょうか。副作用のリスクについて、正しく理解した上で選択しているでしょうか。
そして、何よりも、今の自分の症状や治療のゴールに沿った正しい治療薬を選択できているでしょうか。
無理なく、そして体へのリスクをできるだけ軽減して、安心して治療を継続していくためには、専門のクリニックできちんとした検査をした上で、頭髪治療の医師の診断に基づいて薬を服用することが望ましいのは言うまでもありません。
日々、継続的に服用しなければならない治療薬だからこそ、その選択には慎重になっていただきたいと思います。
AGAは治療薬と生活習慣の見直し、その両輪でAGA治療の効果もアップ
AGAの治療の基本は治療薬の継続ですが、しかし、治療薬だけに頼っていては、効果を十分に引き出すことは難しい場合があります。というのも、抜け毛というのはさまざまな要因が絡み合って起きる症状だと言えるからです。
AGA発症の原因はDHTという男性ホルモンですが、しかしDHTが体内に分泌されていてもAGAを発症する人と発症しない人がいるわけです。
その原因の一つとして、遺伝的要因が挙げられます。生体内のジヒドロテストステロンの受容体、アンドロゲンレセプター(男性ホルモン受容体)の感受性は遺伝によって決まると考えられています。専門クリニックでは、毛髪検査や血液検査などを行うことで、その人のAGAの遺伝子リスクを調べることも可能です。
あるいは、慢性的な睡眠不足や喫煙習慣、栄養バランスの悪い食生活なども抜け毛のリスクを高める要因です。実際、毎日6時間以上の良質な睡眠を確保できている人と、そうでない人との間には、AGAを発症するリスクに隔たりがあったとする報告もあります。
入眠3時間で成長ホルモンの増加が活発になるため、睡眠不足がもたらすホルモンバランスの乱れは、頭皮環境の乱れにもつながります。良質な睡眠や栄養のバランスの取れた食事は、毛髪をダメージから回復させ健やかに保つための大切な要素です。
治療薬の効果をさらに高めるためにも、日常の生活習慣の見直しは必須です。その上で、足りない栄養素などはサプリメントなどで賢く補いたいもの。
AGA専門クリニックでは、単なる単剤の処方だけでなく、多数の症例データに基づき、発毛を促進するために最適なケアを総合的に提案することも可能です。
毛髪のために大切なビタミンやミネラルを補うよう心がけたり、自分の頭皮タイプに合ったシャンプーを選ぶなど、髪の毛を健やかに成長させるためのベストな生活スタイルを見つけてください。
Dクリニック福岡(旧城西クリニック福岡)のサイトでも、専門クリニックならではのきめ細かな発毛メニューについて紹介しています。ぜひ参考にしてください。
注:記事の内容は、効能効果または安全性を保証するものではありません。
サイトの情報を利用し判断・行動する場合は、医師や薬剤師等のしかるべき資格を有する専門家にご相談し、ご自身の責任の上で行ってください。